高校生と挑むバイオガスプロジェクト
2025年7月17日
はじめに
本プロジェクトは、岐阜県立大垣養老高等学校の敷地内に小型バイオガス発電装置を設置し、家畜のふん尿からエネルギー(メタンガス)を生成して電力を生み出す、循環型農業モデルの構築を目指す取り組みです。
ふん尿を「廃棄物」ではなく「資源」として捉え直し、発電とともに発酵後の液肥を農地へ還元することで、持続可能な地域農業を実現します。
このプロジェクトの特徴は、高校生自身がふん尿の投入や発酵の観察、発電の確認といった工程に主体的に関わる「実践型の再エネ教育」にあります。教室では得られない体験を通じて、エネルギーが自分たちの手で生み出せることに気づくきっかけをつくることが目的です。
本プロジェクトのきっかけ
イーエスジーテクノロジーズ株式会社は、「HTTO(減らす・創る・溜める・教える)」という理念のもと、省エネ・再エネ・防災を軸に、持続可能な社会の実現に向けてさまざまな課題に取り組んできました。
このプロジェクトを立ち上げた背景には、農業高校や畜産現場が抱える、ふん尿の処理にかかる労力や環境負荷、さらに近年の飼料価格の高騰によって、畜産教育や農業経営の現場が持続困難になりつつあるという複合的な課題がありました。
そこで私たちは、完全循環型の農業エコシステムを提案。
このシステムを教育現場に導入することで、農業の価値や可能性を、未来を担う学生たちにリアルな体験として届けたいと考えました。
本プロジェクトでは、学生たち自身がふん尿を投入し、発酵の様子を観察し、発電の結果を目にすることで、「エネルギーは自分たちで創り出せる」という実感を得られるように設計されています。
同時に、資源の再利用や地産地消の概念に触れることで、循環型社会の仕組みを体で学び、地域と共に生きる力を育む場にもなっていくことを目指しています。
そして、この想いに賛同してくださったのが、岐阜県立大垣養老高等学校。農業の現場に最も近い場所で、高校生たちが自ら装置の設置や運用に関わるという、全国的にも珍しい“実践型の再エネ教育”がスタートしました。
技術面・教育面双方からプロジェクトへのアドバイス
装置の設計・調達・施工への専門知識と知識と技術
限られたスペースと予算の中でも、機能性と安全性を両立した小型バイオガス装置の構築
啓発活動や技術支援の面で力強い後押しなど、
多くの専門家、企業団体に支えられ、2025年7月には装置の運転開始式まで辿り着くことができました。
私たちが目指したのは、「教科書に載っている再エネ」ではなく、「自分の手で創り出せる再エネ」です。
この体験が、学生たちにとっての「未来をつくる第一歩」になることを、心から願っています。
若い世代にとって、エネルギーや環境問題を“自分ごと”として捉えるきっかけを提供し、地域とともに歩む力を育むこと。
それが、イーエスジーテクノロジーズの願いです。
大垣ケーブルテレビ取材動画はこちら(6:55付近)
本プロジェクト協力団体(順不同・敬称略)
岐阜県立大垣養老高等学校
京都大学 農学研究科地域環境科学専攻農業システム工学分野 大土井助教
株式会社ジャパンエアシー
有限会社神戸空調エンジニアリング
一般社団法人自然エネルギー推進機構
NPO法人再生可能エネルギー推進協会