バイオガス発酵槽が育てた「学び」と「循環」の実践
― 大垣養老高等学校 動物科の挑戦 ―
イーエスジーテクノロジーズ株式会社は、2025年7月3日に岐阜県立大垣養老高等学校へ、環境教育を目的としてバイオガスの発酵槽を寄贈しました。
本設備は、家畜の糞を原料としてメタンガスを発生させるもので、生徒の皆さんは日々、メタンガス濃度・pH値・発酵槽内の温度を計測し、微生物の働きと発酵の仕組みを学んでいます。

ガスが多く発生した際には、実際に燃焼実験を行い、授業の中で枝豆を茹でたり、お茶を煎れたりと、「エネルギーを生み出す体験」を通じて、再生可能エネルギーを身近なものとして理解する取り組みが行われています。
こうした日々の実測データと実体験をもとに、大垣養老高等学校 動物科3年の石井さん・加納さんが、岐阜県主催「ぎふ未来社会共創プロジェクト 探求アワード2025」に持続可能な社会を目指し隊として登壇されました。

お二人の発表では、現在の農業現場が抱える課題として、牛や馬の糞は約6か月間熟成させて安全性の高い堆肥として利用できる一方、即効性があり扱いやすい化学肥料が主流となっている現状が紹介されました。
その結果、本来であれば農地に還元されるはずの家畜糞が十分に活用されず、「飼料を育て、家畜が食べ、糞を肥料として土に戻す」という循環型農業のサイクルが失われつつあるという問題が指摘されています。
そこで注目されたのが、バイオガス発酵槽の活用です。家畜糞を発酵させることで、メタンガスとしてエネルギーを創出できるだけでなく、毎日採取できる液肥を農地へ還元することが可能になります。エネルギーの創出と資源循環を同時に実現できる仕組みとして、持続可能な農業の一つの解決策であることが示されました。

今回の発表は、再生可能エネルギーや循環型社会が、「難しい理論」ではなく、現場での実測と体験から生まれる学びであることを、私たちに改めて教えてくれました。なお、本取り組みをもとに発表を行った石井さん・加納さんは、その探究内容と社会性、将来性が高く評価され、「ぎふ未来社会共創プロジェクト 探求アワード2025」においてセイノー賞という名誉ある賞を受賞されました。

日々の地道な測定や実験、そして循環型農業の意義を自らの言葉でまとめ上げた発表は、教育・環境・地域社会をつなぐ実践的な学びとして、多くの関係者の共感を呼ぶものとなりました。
今回の受賞は、生徒の皆さんの努力の成果であると同時に、学校・地域・企業が連携することで生まれる「学びから社会へとつながる循環」の可能性を示すものだと考えています。
